9月2日(日)より、いよいよ平成最後の仮面ライダーシリーズ」として注を集める「仮面ライダージオウ」(毎週日曜9:00-9:30テレビ朝日系)が始まる。

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テレビ朝日系のいわゆる“ニチアサのうち、「スーパーヒーロータイム」では「平成仮面ライダーシリーズ」と「スーパー戦隊シリーズ」が放送されている。その両シリーズプロデュースを手掛けているのが、現在テレビ朝日映画事業部長チーフプロデューサーを務める佐々木基氏だ。

子どもたちへの影をヒシヒシと感じながら両シリーズプロデュースに取り組んでいるという佐々木氏に、「仮面ライダージオウ」についてや、自身が手掛けた番組へのこだわりなどを聞いた。

子供たちに中途半端なものは見せられない

──佐々木さんはドラマプロデューサーを経て映画事業部へ異動となり、「平成仮面ライダーシリーズ」と「スーパー戦隊シリーズ」のプロデューサーを務められています。“ニチアサ”の特撮作品を手掛けることが決まった時には、どのように思われましたか?

正直、最初は“子ども番組か”と思ったんですが、始めてみたらすごくが深く、すべて計算された、作り込まれた番組なのだと知りました。もしかしたらプロデューサーを務めるには一番難しいかもしれない、と思いましたね。これはゴールデンタイムの作品をやってきたからこそ、思ったことかもしれないです。

何よりも、両シリーズとも子どもたちへの影が大きくて。テレビ朝日では夏祭りヒーローショーステージをやっていますが、子どもたちの熱狂って本当にすごいんですよね。彼らにとっては、見るものすべてが本物ですから、よほど考え抜いて、丁寧に作らないといけないし、ゴールデンタイムの作品以上に集中しないといけないなと。夢を与えるという意味でも中途半端なものを見せてはいけないなと思いましたし、責任重大だと思って取り組んでいます。

演には“5年後にゴールデン役をれる子”を

──両シリーズを手掛ける上で、ご自身が大事にしていることは?

スーパー戦隊チームヒーローなので、“友情と仲間を描いて勝つ”というのが絶対ですね。一方の仮面ライダーは、孤高のヒーローなんですよ。圧倒的なヒーローであり、時には影を背負ってでも、自分が闇に染まってでも戦わなければいけないことがあると。そこはスーパー戦隊と大きく違っているところです。

あと、キャスティングにもこだわりを持っています。スーパー戦隊オーディションに参加するようになったのは「侍戦隊シンケンジャー」(2009〜10年)からなんですが、オーディションでは「5年後くらいにゴールデンタイムドラマ役をれるような子」をイメージして、なるべくやかで、将来性を感じる雰囲気を持った人を選ぶようにしています。ドラマプロデューサー出身だからかもしれません。

最近だと、竹内涼真くんがまさにそうですね。恐らく、オーディションに参加するようになってから、演の人の雰囲気が変わったと思うんですよ。

──名前の挙がった竹内さんのように、特撮作品への出演を機に俳優として大きく飛躍される方も多いだけに、事務所さんからの推薦も増えたと思いますが。

これまでは、事務所さんが自分の所の一番手をオーディションに応募してくるようなことはなかったんですね。それが今では、必ず事務所の一番推しの子がオーディションに来るようになって、それは本当にありがたいと思います。それでも、今「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に出演している、元モーニング娘。工藤遥さんがオーディションに来た時はさすがにビックリしました(笑)

■ 「ジオウ」は平成ライダーの集大成

──9月2日(日)からは「平成仮面ライダーシリーズ」最終作であり、20の記念作品でもある「仮面ライダージオウ」が始まりますが。

平成ライダー総括するという形は最初から考えていました。もうこれしかないなと(笑)。ジオウは“王子(オウジ)”のアナグラムであり、“時間の王様”ということでもあって。平成ライダーの集大成として、これまでにない史上最大のスケールでお届けしたいと思っています。

仮面ライダーディケイド」(2009年)という10周年記念作品でも過去ライダーを使っていましたが、今回はそれをさらにパワーアップさせて。これまでの経験が通用しない、多くの特撮ファンライダーファンが予想するもののはるかに上をいくような作品にしたいと思っていますので、子どもだけじゃなく、ライダーを見ていた大人の皆さんもぜひご覧になってほしいですね。

――平成ライダーは毎回デザインが話題になりますが、今回のジオウも顔に“カメライダー”の文字があるという、インパクトが強デザインですね。

あれはらからの示ではなく、デザイナーさんのアイデアです。エグゼイドも奇抜でしたが、それに通じるものがあるかもしれないですね。顔全体が時計になっているし、体のライン時計バンドになっていて。デザイナーさんのこだわりを感じますね。

主人公役は満場一致で決まった

──主人公常磐ソウゴ役に奥野壮さんを起用された理由は?

ジオウに変身するソウゴは未来で王になる青年という設定で、そのイメージに合った人はなかなか見つからないだろうなと思っていたんです。でも、オーディション奥野くんを見た間、「もう彼しかいないな」と。「シンケンジャー」の時の松坂桃李くんもそうだったんですが、決まる人は一で決まる、何か引き寄せるものがあるんですよね。

奥野くんは10年以上バレエダンサーをやっていて、身のこなしがすごく軽くて、歩き方や所作が本当に妖精みたいに美しいんですよ。2cmくらい宙を浮いて歩いているんじゃないかというくらい、彼の持つ浮世離れしたオーラというか存在感が、時をかける高校生というのにすごくピッタリで。満場一致で決まりました。運命的な出会いというか、素晴らしい人をキャスティングできたなと思っています。

子供たちに夢と希望勇気

──佐々木さんが思う、今後の仮面ライダースーパー戦隊は?

本当は革新的なことを言った方がいいかもしれないんですが…。スーパー戦隊も前作の「宇宙戦隊キュウレンジャー」(2017~18年)が最初から9人という人数だったり、放送中の「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」もそれまで映画でやっていた「VSシリーズ」をそのまま持ってきていて。ここまでやってしまったので、次は大変だなぁと思っています(笑)。ただ、スーパー戦隊に関してはやはり“仲間と友情”を描くし、ライダーでは“孤高さと圧倒的な強さ”を描くことは変わらないと思います。子どもたちに夢と勇気希望を与えたい、それは本当に何年経っても変わらずに続けていきたいですね。

あと、最近では「仮面ライダーエグゼイド」(2016〜17年)の高橋悠也さん、「仮面ライダービルド」(2017〜18年)の武藤さんがそうですが、これまで特撮作品で書かれたことのない方に脚本を書いてほしいというのもありますね。結構、「書いてみたい」という方も多いんですよ。

──両シリーズの今後を期待しつつ、放送開始当時、革新的な作品として多くのファンに衝撃を与えた「宇宙刑事ギャバン」(1982~83年)のような、新たなスーパーヒーローの誕生も見てみたいですが。

自身、メタルヒーローはぜひやりたいと思っているんです。2014年に「人造人間キカイダー」をベースにした「キカイダーREBOOT」という映画をやったんですが、もう少し子どもに寄せたものをやってもいいかなぁと思っています。放送さえできれば予算は何とか出ると思うので、機会があれば本当にメタルヒーローやってみたいですね。

内村光良さんが師匠です

──ところで、佐々木さんがこれまで手掛けた作品の中で思い入れのあるものは?

今はとにかく、子どもに夢と希望をという思いでやっていますが、思い入れのあるのは企画プロデュースして、内村光良さんが演をされた「人はスナイパー」(2001年2002年)ですね。

テレビ朝日に入社して、最初は「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」(1995〜00年)というバラエティー番組のADから始まったんですが、その時に内村さんにとても優しくしていただいて。内村さんから結婚祝いでいただいた万年筆は、10年経った今も使っています。

ドラマ班に異動した時も「佐々木がいるなら協するよ」と言っていただいて。「人はスナイパー」は内村さんありきで始まった企画でしたし、が入りましたね。内村さんは常に理をせず自然体でいてすごいなと。勝手に、人生の、芸界の師匠と思っていますし(笑)、ぜひもう一度お仕事をご一緒したいですね。(ザテレビジョン・文・斉藤

「仮面ライダージオウ」のチーフプロデューサーを務める佐々木基氏


(出典 news.nicovideo.jp)


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