通勤手段として最もポピュラーな電車。しかし満員電車で長時間他人と密着する状況は、とても快適とは言えません。ラッシュによってストレスを溜めることは、仕事のパフォーマンスを落とすことにも繋がります。

そこで、快適な通勤手段としての自転車通勤を考えてみましょう。今回はソフトバンクグループの提供する自転車シェアリングサービス「ハローサイクリング」(15分60円/1日最大1000円が主流)を使って、調布駅原宿駅北千住駅プレジデント社(永田町駅)を走行し、電動自転車を使っての自転車通勤をシミュレーションしてみました。経路はすべてGoogleマップルート検索(徒歩)を使用しています。

実際に走行してみた結果、快適だったのは意外にも調布―原宿間。約16キロメートル自転車にしては長距離の走行でしたが、メインルートとなる甲州街道沿いは自転車用レーンが設置されているうえ、道路も広めに造られておりスムーズに進むことができました。代々木付近に多い坂の上り下りも電動自転車だったため、ほとんど負担は感じません。

要した時間は電車とほぼ変わらない50分。電車通勤の場合は自宅から駅まで、駅から職場までを徒歩移動することを考えると、電車通勤よりも短時間で到着できます。

逆に北千住駅プレジデント社は約12キロメートルで1時間と、電車通勤よりも20分近く遅くなる結果になってしまいました。全体的に路上駐車と信号が多く、一時停止を多く強いられたことが要因と思われます。また、人でごった返す上野駅前は自転車で走行できる状態ではなく、自転車から降りて押しながら歩きました。信号と人通りが少なめの鶯谷駅付近を通ったほうが結果的に早く着く可能性があります。

このように、目的地によって最適なルート選択をする必要はあるものの、自転車通勤では乗り換え電車を逃してイライラすることも、他人のイヤホンからの音漏れに心を乱されることもありません。誰にも邪魔されず、目的地へ進む自転車通勤には満員電車にはない爽快感によって、頭もクリアになる気がします。

ただし、このテスト猛暑日に行ったため、かなり汗をかきました。スーツ勤務の場合、夏場は着替えアンダーウエアといった対策は必須。

今回は10キロメートル超の通勤を仮定しましたが、10キロメートル以下で乗り換えのある通勤の場合は小回りが利く自転車通勤の有利な点を生かせそうです。

また、自転車通勤は遅延のリスクがほぼないのもメリットです。交通状況や信号によって5分前後の遅れはありますが、電車と違い何十分も遅れることは考えづらく、商談や打ち合わせがある日に大遅刻をするリスクも減らせます。

自転車通勤には金銭面でのメリットもあります。メーカー希望小売価格10万440円のナチュラM(ヤマハ)を買って調布―原宿を自転車で通勤した場合、1年間の定期代である約13万円より安くなります。また年間の3分の1を雨の日と仮定し、電車通勤に切り替えたとしてもトータルコストは+3万円程度(年間休日120日の場合)。手元に自転車が残るぶんだけ得と言えます。2年目以降は購入コストがかからず、買い物等にも使用できると考えると、メリットは大きいです。

毎日のことだからこそ、ストレスは極力減らしたい。通勤距離が15キロメートル以下の場合、自転車通勤は十分選択肢に入るのではないでしょうか。

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山野祐介
行動するお金博士
1991年生まれ。自らの節制生活をもとにした「1週間食費0円生活」を月刊誌で連載中。節約術やお金の最新事情に精通。

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写真=iStock.com/gruizza


(出典 news.nicovideo.jp)


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