「SUBWAY(サブウェイ)」は、パンの生地、野菜、トッピング、ドレッシングなど、オーダーメイドでサンドイッチを選ぶ方式のファストフード店です。2014年には日本国内で480店展開していましたが、その後閉店が相次ぎ、304店舗(2018年11月現在)まで縮小しました。海外ではマクドナルドより店舗数が多いサブウェイですが、日本ではかなり苦戦しているようです。なぜでしょうか?
もちろんもっと魅力的なファストフード店が他にあるから、価格が高く感じるからなど、苦戦にはさまざまな理由があるでしょうが、苦戦の理由の1つに、オーダーメイドで選ぶサンドイッチの組み合わせが多くあり、人によっては注文の仕方が複雑と感じてしまうこと、オーダーに時間がかかることがあるのではないでしょうか?
人は何かを選ぶとき、豊富な選択肢があればその中から最適・最良・最善のものを選ぼうとするのが普通です。ところが皮肉なことに、選択肢が多くなると選ぶことが困難になり、先に目についたものや推薦されたものを安易に選んだり、決断を先送りしたりする人が出てきます。
選択肢が多くなるほど選ぶことを面倒だと感じるというケースを、米国生まれの世界最大のサンドイッチチェーン店「サブウェイ」の注文の仕方を例に説明しましょう。
日本サブウェイの公式Webサイトによれば、同店のサンドイッチの組み合わせはなんと3700万通りもあるそうです。
まず基本になるサンドイッチの種類を1つ選び、次に5種類の中から好みのパンを1つ選びます。3つ目のステップで8種類のトッピング(有料)の中から、必要に応じて好きな具材を追加し、4つ目のステップでパンにはさむ野菜を5種類+好みでトッピング無料の3種類の中から組み合わせて選びます。5つ目のステップで9種類のドレッシングとソースの中から好みのものを選べばようやく完成です。
サブウェイには、パンの生地や野菜などを好みに合わせて選べる楽しみがあるとはいえ、「多くの組み合わせの中から、たった1つを選ぶのは面倒だ」と感じて敬遠する人は少なくないでしょう。
数ある組み合わせの中から選ぶことは、頭を使ってエネルギーを消耗するということです。考えるのは疲れるから、なるべく思考時間や労力を減らしたいという欲求が人間には働きます。だから、考えたくない人は店員に「お任せします」「おすすめは?」と言ってしまいがちです。その「お任せ」や「おすすめ」に従った結果、できたサンドイッチに自分の苦手な具材が入っていて「あ~あ、失敗した」「自分で選べばよかった」と後悔する人もいるようです。
そもそもサンドイッチとパン(5種類)とトッピング(8種類)だけでも100以上になる組み合わせを、瞬時に比較して吟味、検討できる人はいないでしょう。
しかしサブウェイでは、完成品を受け取るまでに5つのステップがあり、多くの選択を要するため、組み合わせを事前に決めておかないと注文にはおのずと時間がかかります。オーダーに時間をかけると、背後に並び、注文するのを待っている人に迷惑がかかるという気持ちにもなります。なかには、背後の客から「早くオーダーしろよ!」という無言のプレッシャーを受けて、急かされているように感じる人もいるかもしれません。そのため「短時間で決断するよう強制されているようでサブウェイは苦手」と感じる人もいるのではないでしょうか。
子どものころから、「自分のわがままで他人に迷惑をかけてはいけない」と教えられ、「空気を読む」ことを求められてきた多くの日本人にとって、豊富な選択肢の中から短時間で自分の好みを選ばなければならないサブウェイ方式は精神的なストレスが高いように思えます。あなたはサブウェイ方式をどう感じていますか。
一方、好きな料理を好きなだけ皿に盛って食べられるバイキング形式は、日本で幅広く浸透しています。立食形式のビュッフェも女性を中心に人気です。
サブウェイ方式とバイキング形式。どちらも自分の好みの料理を選べる点は共通しています。ユーザー側から見た両者の大きな違いは、前者では選ぶのが面倒に思えることや、短時間に1つだけを選ぶよう強制されているように感じられることもありますが、後者には選ぶ行為にストレスがないことでしょうか。迷ったら、あとでもう一度取りに行けばよいので、意思決定を先送りすることもできます。
本来、選択や決断には選ぶことのプレッシャーがつきまとうものですが、バイキング形式にはそうしたプレッシャーがありません。
私は大学の授業や企業研修の冒頭で、必ず「あなたは自分を優柔不断だと思いますか?」と受講者に質問するようにしています。結果はいつもだいたい同じで、約7~8割の受講者が「優柔不断だ」または「どちらかといえば優柔不断だ」と答えます。
重大な意思決定をまだ経験していない大学生ならまだしも、企業研修に参加した40歳以上の社会人の多くも「自分は優柔不断だ」と答えています。こうした経験やアンケート結果から、日本人のうちのかなりの割合が「自分は優柔不断だ」「決断力がない」と自覚していることが分かります。
では、どうして「自分は優柔不断だ」と思う日本人がこれほど多くいるのでしょうか? その原因を分析する前に、優柔不断には2種類のタイプがいることを説明しておきましょう。
優柔不断だと自覚している人の第一は、普段と異なる状況に遭遇した途端、何をしていいのか分からなくなってしまう「状況困惑型」タイプです。
私の周りにも、膨大な情報量を前にして途方に暮れるという人は少なくありません。インターネットで検索をすると情報が山ほど出てきてしまいます。たくさんの情報に目移りしてしまい意思決定できないのです。どんな状況下の意思決定でも汎用的に使える決定の枠組み、フォーマットを知らないので、意思決定できない、あるいはそれが困難になるのです。つまり、意思決定の仕方に無自覚なままきたので、優柔不断だと自覚することになるといえます。
もう1つは、「熟慮逡巡型」というタイプです。意思決定をするための材料(情報)をそろえ、選択肢も過不足なく出して、どれが一番よい選択なのか、ほぼ分かっているにもかかわらず、決定に踏み切れない人たちです。つまり、熟慮した結果、目前にベターな選択肢は見えているにもかかわらず、その1つを選ぶことでほかの選択肢(可能性)を切り捨てることができないのです。
すぐれた意思決定をするために、いろんな可能性を考慮して検討し、熟慮することは大事なプロセスですが、最終的に尻込みして決められないのでは仕方ありません。こうした熟慮逡巡型の人は「頭はよいものの胆力に欠ける」と他者から見られるでしょう。
私は講義で、「優柔不断は性格のせいと考えてはいけない」と強調しています。
優柔不断が性格の問題なら、優柔不断な性格の人はすべての問題について何も決められないことになり、また一生直らないことになるからです。
ところが、実際には、どんな人であっても、即決する場合もあれば、なかなか決められない場合もあります。普段はテキパキと物事を決めていく人なのに、問題自体の難しさや状況によって途端に優柔不断になるということが起こるわけですから、性格とは直接結びつかないのではないでしょうか。優柔不断は性格の問題ではなく、問題の性質や状況によるものが大半だと私は考えています。
優柔不断になる原因の多くは、問題そのものにあります。先に紹介したサブウェイでメニューを選ぶときのように選択肢の数が多すぎるときがそうです。理想的な選択肢がないときや情報がほとんどないという状況、不安や恐れ、焦りといった感情があるときもそうです。
このように「早く選ぶよう周囲から急かされると焦ってパニックになる」という状況に陥って優柔不断になることもあるのです。
意思決定がスムーズにいかなくなるたびに、自分の性格を責めているのなら、まずは自分を優柔不断だと思い込まないことが大事です。
性格を嘆くより、何が意思決定を困難にしているのかを分析し、対処方法を身につけるよう努力することのほうが重要です。
優柔不断と思っている人にまず挑んでほしいのは、意思決定の方法、つまり決め方のルールを学ぶことです。意思決定の枠組みやフォーマットがきっちりとあること。これを知っておけば、優柔不断になりそうな状況にも対処できますし、中長期的に決断力が向上していくのです。
(印南一路)
(出典 news.nicovideo.jp)
<このニュースへのネットの反応>
スタバが儲かっている時点で的外れだわ単純に企業努力が足りないのを言い訳してるだけ
注文が面倒くさいすぐに注文を済ませられるセットメニューがほしい
「なんでや日本は地下鉄網発達しとるやろ」と思ったら、まるで知らん店の話だった。ちなみにサブマリーン(潜水艦)型のサンドウィッチを自由な方法(WAY)で作れるからサブウェイなんだそーな。
毎回の注文が面倒というより、初めて行く人の敷居が高すぎるんだよ。基本セットを前面に押し出して変えたい人はオーダーも出来るようにした方がいい。
スタバみたいに公式アプリ作れよ…http://www.vivi-life.com/entry/starbu*s-mobile-app/
せっかちな性分と後ろに人に並ばれたら、早くしなくちゃという気持ちになってそんなにいっぱい選んでいられないw せめて基本形が欲しい。それをカスタマイズするくらいで・・・あ、これがスタバ方式か。
基本形は全部「おすすめで」って言っとけば良い。一覧で並んでる具材に嫌いなものがあれば「これどけて」で済むのでめんどいとか関係ないと思う。なぜ流行らないか。高い。以上。
単純に急いで増やしすぎただけだと思う。2010年には230店しかなかったのに、4年で倍以上に増やしてるんだよ。需要読みきれてなかっただけじゃね
店舗数とニュース見てると、2010年ごろから「マックに勝って世界一に」みたいな感じで、世界中でやたらめったら店舗増やしてる。そして2015年頃からガンガン閉店してる。日本だけじゃないんだよなあ
値段のわりにたいしてうまくない。さらに注文が面倒なんだから当然だな。
他の店のメニューと比較してみたら、サラダが600円からと他の店の倍以上の値段してて驚いたわ。
日本の気質と経営戦略がいまいち噛み合ってない印象。ヘルシー志向だから噛み合えば繁盛するとは思うんですがね
そもそも日本人にじっくり考えながら選択していくって余裕はないから人気が出ないんだと思う 休憩時間ですらタイムアタックしてるかのようにせかせか飯食って休憩してる人おるしな
こんだけ展開しててイマイチってこたぁないと思うけどな。駄目とすれば、サンドイッチっていう物自体が上品すぎてファーストフードのガツガツいくイメージに合わない。
はじめて行ってみて、注文したあと店員がチマチマ作り続けて十何分も待たせてようやく買えてから、もう二度と行くかと思った
純粋に面倒なんだよなぁなんか民族論みたいなものを展開なされてますが、選ぶのが苦手ならバイキングも存在しないだろ。
昼休みとか時間制限がある中であの仕組みは問題ありそう。
中途半端なんだよねファストフードにしては意識高すぎるし、もうちょっとお金出してちゃんとしたところでもっと美味しいモノ食べる
面倒っていうか分からんから怖くて注文出来ない
手間、味、時間が値段が見合ったものじゃないからだろ
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