「昼休みが1時間設けられていますが、実質休んでおりません。これは労働基準法に引っかかるのではないですか?」。認可保育園に勤める現役保育士の50代女性=関東地方=から、弁護士ドットコムのLINE@にこんな情報が寄せられました。

女性が働く保育園では、8時半〜17時半までが勤務時間となっています。仕事量が多く、昼休みにその仕事をやらなければ、勤務時間中に終わりません。職場にはタイムカードもなく、残業代も出ません。

子どもたちが昼寝をしている際も、呼吸やうつぶせ寝のチェックのため休むことはできません。早く起きてしまう子もいるため、結局別の部屋に行くこともできないと言います。女性は子どもたちが寝ている部屋で食事を取っています。

「昼休みが無いのが当たり前となり、みんな諦めていて、昼休みが欲しいということすら忘れかけています。保育士側にも休む時間という認識自体がなく、ある意味洗脳されたような考えを持っているのだと思います」(女性)

昼休みが無いのはいまに始まったことではありません。女性は「管理職に『昼休みが欲しい』と伝えたところで『何を今更言い出すのか』と言われそうで、とても言い出せる雰囲気ではない。言ったら不当な扱いをされそう」と話します。

こうした扱いは、違法ではないのでしょうか。職場側の法的リスクについて、中村新弁護士に聞きました。

休憩がないのは違法

ーー労働基準法に反するでしょうか

「労働基準法は、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与えるべきこととしています(労基法34条1項・2項)。

休憩時間は、原則として労働時間の途中に労働者に対し一斉に与えることが求められていますが、事業の性質上、一斉休憩が難しい『保健衛生の事業』に含まれる保育士は一斉付与の原則の適用除外とされています(労基法施行規則31条、労基法別表第一)。

したがって、園内のすべての保育士に同じ時間帯で休憩を与えることまでは求められていませんが、休憩は与えなければなりません」

ーー保育園は一斉に休息時間に入ることが難しそうです

保育園はまだ学齢に達しない子どもたちのお世話をする場なので、突発的な事象も生じやすく、実態としては休憩時間に勤務が食い込むことが多いかもしれません。

ですから、経営者や園長と話し合ったうえで、シフトを組んで各保育士の休憩時間を確保するような態勢を整える必要があるでしょう。休憩時間を取れず保育士の方が疲弊すると、大きな事故にもつながりかねません」

事故が起きたら、経営者の責任も問われる

ーー職場にはタイムカードもなく、残業代も出ないそうです

「時間外労働については、管理監督者等の適用除外に該当しない限り、時間外の割増賃金を支払わなければなりません(労基法37条)。一般の保育士が適用除外に該当することはありません。

保育園の経営者は、タイムカードを設置する、または、出退勤の時刻を記入するノートを設置するなど、保育士の方の労働時間を適切に把握できる態勢を整える必要があります」

ーー保育園にとっては新たな負担ということになるのでしょうか

「園にとっては酷な話と感じられるかもしれませんが、無休憩や長時間労働による保育士の疲弊に起因して事故が起きた場合には、保育園の経営者や管理者の責任も当然問われます。また、勤務時間を適正に管理した証拠を残しておかないと、高額な時間外手当の請求を突然受ける可能性もあります。

休憩時間や労働時間を適正に管理することは、園にとっても有益なことであることを理解してもらいたいと思います」

ーー労働者としては、どうすれば良いのでしょうか

「園内の相談窓口や上司に訴え出ることが最初の手段になると思います。対応が不十分だと感じられる場合には、労働基準監督署や弁護士に相談することも考えられます。

訴え出たことで職場から懲戒などの処分を受けるかもしれないと心配になるかもしれません。ですが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、懲戒処分は無効となります(労契法15条)」

弁護士ドットコムニュース

【取材協力弁護士
中村 新(なかむら・あらた弁護士
2003年弁護士登録(東京弁護士会)。現在、東京弁護士会労働法制特別委員会委員、東京労働局あっせん委員。労働法規・労務管理に関する使用者側へのアドバイス(労働紛争の事前予防)に注力している。遺産相続・企業の倒産処理(破産管財を含む)などにも力を入れている。
事務所名:銀座南法律事務所
事務所URLhttp://nakamura-law.net/

保育士の過酷な労働環境、昼休みなしは「当たり前」…職場では諦めムードも


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

今年から実施される幼児教育無償化の前に保育士さん達の労働環境を改善するべきではないか


昼休憩中に連絡帳書いたりするのが普通だからね。子どもたちが起きてる時間は雑務が出来ないし、寝てるときも子どもたちを見なきゃいけないから複数人いなきゃ休憩なんて取れない。子どもたちが帰ってからも園によってはやること山盛りで大変だし、それでいて責任も重い。だけど薄給で技術もいる。このままならなり手はどんどん減っていくだろね。


介護士にだって昼休みなんかねえよ


子供達が寝ている時間が休憩時間だとか、利用者と談笑している時間が休憩時間というのが使う側の言い分だけど、そんなの全然休憩になってねえよな。


みなしがつらいって?!そんなんじゃ儲かりまへんで!!みなしてなんぼの世間と銭稼ぎの世の中だす!みなしでへたれるならゼニは得られませんでえええ!!世の中は今「ミナシの帝王」ブームどす!ノってゼニ稼ぎましょ!!


介護や保育関係は本当にきつそう。保育士さんたちは基本的に食べる時間があってないようなものだから早食いで5分10分で食べ終えないと雑務や子供の相手の人手が足りなくなるんだと。それで長年勤務の保育士さんが胃関係の病気にかかって医者に早食いはやめろと怒られてそうだが、無意識にやったり、職場環境的に無理な話だよな。


休憩時間ずらして取れるようにもう1人雇えばいいだけだよね


無知な従業員同士が勝手に決めてる場合もあるからなあ。奴隷じゃなくて労働者だっていう自覚は必要だと思う。


「嫌ならやめろ」これに尽きる。 こういう、いつまでもその職場に縋る奴らがいるからブラック企業がなくならない。


「女性を応援する社会」とは非正規社員でこき使い、搾取することである。この現実を現政権は「女性の社会進出」と呼ぶ。


人間が社会性を持つ生き物である以上仕事に対して嫌ならやめろは通用しません。まあこれも極論だけど


皆一斉に辞められれば害悪経営者だけ駆逐できるのにね。現場見てない人間が仕切ってるんだしそのうちワンオペ保育とか出てきて挙句過労死が増えるだろうな。


子供が生まれてから数年、小学生になるころぐらいまでは、子供の両親、家族などが、できるだけ時間使って面倒みるようにしていく方が良いんじゃないかな…。子供の家族にとっては、その数年、大変だけど、保育士さんは、その緊張状態がずっと続くわけでしょ。しかも預かっている他人の子。自分の子より気を遣うんじゃないかな…。ベテランの保育士さんに関わってもらうのは助かりそうだが


労基法を厳罰化して労基法を守らない企業を全部潰す以外に解決策なし、景気が悪化しても其れは労基法を守らない企業が悪い。


それでも、続ける保育士が多いからって言うのが問題要は舐められている。嫌なら辞めるべきだし、それがあーだこーだ言うなら子どもの笑顔が報酬ですみたいな話になるよね。


経営者も笑いながら「嫌なら辞めろwww」とか思ってるんだろうな、50代女性の転職活動とか体力的にもキツイだろうに


まあでも最悪ボイコットやスト、ダメなら辞職してでも自分の健康命、権利を守るしかないんじゃないの?他人の人生配慮しない人間の屑なんぞにこちらが配慮してやる必要もないしな。まあ、下の世代がそういう思考するに至っても年寄りはワカモノガーで反省なく外国人奴隷とかやろってんだからもうどうしようもなかろう


まあ、でも、「嫌なら辞めろ」を実践していった結果が、今の人不足なんですよ。と嫌で保育士辞めた人間が言ってみる。


全部が全部ではないだろうが保育園や特別擁護老人ホームを運営する社会福祉法人が過剰に奉仕の精神求めて無茶な人の使い方するんだよな。で、民間運営の施設もそれを真似る。


人生に必要な 保育士、教師、図書館司書、小児科医、産婦人科医 etcの不足と公的ワーキングプア、過重労働、ブラック企業の蔓延。これでまともな国になるだろうか?  少子高齢化の上に、質も確保できず、量が必要だからと移民政策となると、日本の亡国も近いのでは?