3月といえども、米ニューヨークはまだ氷点下の寒さが身に染みる頃である。そんななか、2頭の犬を救うために何の躊躇もなく凍った池に飛び込む男性とその愛犬の話題が同地から届いた。『abc7NY』などが伝えている。

ニューヨーク州ヨンカーズに住むティモフィ・ユリエフさん(Timofey Yuriev)とメリッサ・コウさん(Melissa Kho)夫妻は今月9日、愛犬のキラを連れて同州のアービントンにあるオハラ・ネイチャー・センターのトレッキングコースを散歩していた。

すると近くで女性の叫び声が聞こえた。その声の方向に目をやると、アービントン貯水池の水面に張った氷の割れ目に落ちて水に浸かったままの2頭の犬がいた。叫んでいた女性はこの2頭の飼い主だった。

犬は泳いで岸に戻ろうとしたが、氷に囲まれているせいで落ちた場所から身動きがとれない状態だった。このままだと2頭の犬は体が凍りついて体力を消耗し、溺れる可能性もある。

ティモフィさんはレスキューを呼ぶことも考えたが、それでは遅すぎると判断し、一刻も早く2頭を救出することを選んだ。飼い主の女性の制止を無視して、自ら極寒の中で服を脱ぎ、上半身裸になって池へと飛び込んだ。

まず、岸に近い場所に落ちた犬の救出に向かったティモフィさんは、犬が岸まで泳いで戻れるように氷を割りながら進んでいった。すると愛犬のキラも後を追って犬のところまで泳ぎ、その後くるりと向きを変えて岸まで犬を先導し始めた。

無事に1頭が岸まで戻り、2頭目を救うべくティモフィさんとキラは再び冷たい池へと飛び込んだ。2頭目は1頭目よりも岸から離れた場所にいたため、更に多くの氷を割って泳ぎ進まなければならなかった。この時のティモフィさんは「頭がふらつくような感じがしていた」と、後にメディアインタビューで明かしている。

そして見事、2頭目も救出しティモフィさんとキラも問題なく岸まで戻ってきた。その瞬間、飼い主の女性は涙を流しながら感謝の言葉を述べたという。

しかしながら凍りついた池に上半身裸で飛び込むことは、とても危険な行為である。場合によっては心臓発作でも起こしかねない状態だが、実はティモフィさんはカザフスタンで育ち、7歳の頃に祖父からシベリアの極寒の中で凍りついた水面で泳ぐための方法を教わってきたそうだ。

そして今回も池に飛び込む前に、アドレナリンを放出させるための特別な呼吸法を取り入れたという。またティモフィさんは「今回キラが水面で凍えていた2頭を鼻でつつき、岸まで誘導してくれたことが大きな助けとなった」と話している。

この2頭は、どうやら飼い主のもとから走り去り貯水池の氷の表面を渡ろうとして今回の事態になったようだ。ティモフィさんは「犬の散歩の際には常にリードが必要で、特に湖などが近くにある場合は気を付けるように」と注意を促している。

画像は『Melissa Kho 2019年3月9日Facebook「Just witnessed something amazing: My hubby (and pup) rescuing two dogs trapped in the ice」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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(出典 news.nicovideo.jp)


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